2014-07-15
小学校の先生で、勉強が好きな人はどのくらいいるだろう?

ほとんどが勉強が嫌いと手を上げた中学生に危機を感じ書いたブログ。この体験もきっかけとなり、開催したこどものプログラミング教育を実践するグループ、プログラミングクラブネットワーク キックオフ講演会のパネルディスカッション。ゲストで来ていただいたW3C/Keioサイトマネージャ中村修さんの「インターネットが嫌いな人に、インターネットを教えてほしくない」という言葉が印象的。


(「プログラミング=もの作り」W3C/Keiサイトマネージャ中村修さん)

中村さんの基調講演「プログラミングと未来のインターネット」で、ものづくりとしてのプログラミングのおもしろさ、Webを通じて手軽に世界中に広められる可能性、大人にない発想力をもつこどもを応援する大切さを共有いただいた。プロジェクターを積んだクアッドコプターとスクリーンを積んだクアッドコプター、2台で随行するスクリーンを創っちゃう発想と実現力は、こどもならでは!

日本人口が減少の一途、対してアフリカ・アジアで若者が増え続けることが見えている近未来。世界中でプログラミング教育への注目が集まる中、日本の義務教育でプログラミングを取り入れるか否か。会場も、パネリストも、意見は割れた。ただ、コンピューターやインターネット、プログラミングが嫌いだという人がこどもに教えることによって、コンピューター嫌いな人を増やしてしまうことになるのが嫌と中村さん。確かにそれでは本末転倒、安易な義務教育化はむしろ害悪。

プログラミングを教えるアプローチも様々。コンピューターの原理からひも解き、コンピューターの本質的な気持ちが分かるレベルから創るIchigoJam的アプローチもあれば、UNIXから始まったオープンソース文化から脈々と続く、高度なソフトウェアの組み合わせによって、人間にわかりやすく抽象化された環境における対話のように創るアプローチもある。大切なのは、こどもがどう感じるか。こどもが興味を持って、学びたくなって、学ぶことができて初めて成立するのが、教育。多くのこどもに、プログラミングの楽しさを知ってもらうには、いろいろやるしかない。

数学が嫌いな先生から教わる算数は悲惨。先生が数学の達人である必要は全くないが、少なくとも数学の楽しさは知っていて、楽しくそれを伝えてほしい。無線とインターネットとクラウドによって目に見えなくなり、誰もがたった時給1,000円で毎秒1兆回もの計算を肩代わりしてくれる現代のコンピューター。スマホもスパコンもゲーム機も、実は70年前から原理原則は全く変わらない、シンプルでかわいい機械だと分かることで、コンピューターという妖怪の正体を暴く楽しい体験を提供してみたい。

こどもがつくったプログラムなどの作品がどんどんWebに発表され、いろんなフィードバックが届くことが楽しく学び続ける秘訣かも。慶応大学のこども向けのアワードなど、チャンスはどんどん広げたい。参加・コメントいただいた、Yahoo!Japanの中島さん、Yahoo!きっずでのプログラミング環境提供、表彰、ハッカソンイベントなど、いろんな連携を模索していけそうです。

ナチュラルスタイル松田さん、ict4e原さん、jig.jp福野、三者三様、いろいろやろうと結成を決めたプログラミングクラブネットワークにとって最高のスタートとなったキックオフ講演会。W3C中村さん始め、遠方からも来ていただいた方々、ありがとうございました!


(発起人三人の和装は、日本からプログラミング識字率世界一を目指す決意)


(おもしろフェスタ、エンゼルランドのジュニアICT講座、舞鶴高専プログラミング入門で活躍するタブレットプログラミング体験環境「progrun」)


(英語、数学からプログラミングへ、福井生まれのキャラクターダンブンが活躍するナチュラルスタイルクラブ)


タミヤの2台で3,400円のロボットIchigoJamにつないで対戦型プログラミングによるミニロボコンデモ、YouTube動画

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