LODとは、つながりがはっきり分かり、自由に利用可能なデータのことを言います。昨年の震災時、さまざまな情報の迅速な公開が求められましたが、実際出てきたデータは、紙のデータをスキャンした画像データなどであり、グラフ化したり、地図にマッピングしたり、非常に使いにくいものでした。LODによるデータ公開の場合、コンピュータでの処理が非常に容易であるため、すばやくいろいろなニーズにこたえるアプリケーションを作成、公開されることが期待できます。
特に、行政など公共性の高いデータは、広く一般の市民に分かりやすく公開されるべきものなので、このLODを使ったオープンガバメント(開かれた政府)になることが求められています。LODでのデータ公開の本命はRDFというあらゆるものを厳密に定義するフォーマットがありますが、まだ広く使われるにいたっていません。なので、将来RDF化することも見越して、まずはシンプルなXMLでの公開からのスタートが現実的です。
世界の事例としては、1,000近いデータを公開し、総額5万ドルの賞金をかけたコンテストを行っているニューヨーク市や、同じくデータ公開に積極的なシリコンバレーも近いサンフランシスコ市、また、オープンなデータのライセンスを決め、データの公開だけでなくそれを使ったアプリケーションの開発を行うイギリスの取り組みなどがあります。
日本においては、経済産業省によるオープンガバメントラボという実証実験サイトがオープンしましたが、ほとんどといっていい程進んでいません。関連する報告書を見たところ、どのような形式で公開すべきかや、単なるデータの公開だけでなく、広く利用してもらうためのアプリケーションをどう準備するかなどに、時間をかけているようですが、今、すぐに、生のデータを公開すべき、です(RAW DATA NOW!)。データさえあればアプリは誰かがなんとかしますし、形式がおかしくても、変換は簡単にできます。
気象庁が持つデータ、つまり、天気予報などのXMLによるデータの公開が議論され、仕様まで作られているにも関わらず、なぜか公開に至っていないなど、見えない壁があるようです。国民に限らず、日本に関連するすべての人の安心安全な生活に直結するデータなので、この公開は非常に大きな一歩になるので、ぜひ進めていただきたい!
と、希望の言っているばかりではしょうがないので、今すぐに始められることから始めています。地元の自治体、鯖江市にデータのオープン化の提案に行き、ついにその鯖江市オープンガバメント化が進みだしました。まずは手軽な市が管理するトイレ情報、続いて、鯖江市民から募った観光情報、避難所、AED設置場所が、シンプルなXMLと、ライセンスが明確で一般的で分かりやすいCC(クリエイティブコモンズ)がうれしいです。これら公開されたデータを使ったアプリもいくつか作って公開していますが、早速オープンガバメントに関心ある人たちにTwitter/Facebook経由で伝わり、さまざまな有益なフィードバックや、感謝の声を聞くことができました。
オープンガバメント、まずは小さな一歩で構わないのです。興味あるデータがあれば、ぜひ使って何か作ってみてください。私の作ったオープンガバメント系のアプリは、ライセンスをCCにしているので、どうぞコピーして使ってください。みんなでオープンガバメントを広げましょう。オープンガバメントの推進に一番大事なのは、市民ひとりひとりの行政への関心です。まずは身近な地元からオープンガバメント化、進めましょう!
参考)
「tim lod ティム・バーナーズ=リーが示す次のウェブ | Video on TED.com」
「海外におけるオープン・ガバメントの取り組み」
「英国政府、新ポータルGov.ukをクラウド、アジャイル、Rubyで開発。ソースはGithubで公開 - Publickey」
「DataSF - Liberating City Data」
「NYC BigApps 3.0」
「NYC Open Data」
「「データシティ鯖江」のご提案!!。|『さばえ.jp』百さんのブログです」
「福井県鯖江市>Dataシティさばえ(XML化の推進)」
オープンガバメント、Dataシティさばえ(XML化の推進を受け作成したアプリ)
「鯖江トイレマップ」
「鯖江トイレナビ」
「鯖江観光ナビ」
「鯖江AED」
「横浜観光ナビ」
「オープンガバメントラボ、アイデアボックスビューワ」