2017-12-24
CPUアーキテクチャとしてArmを採用しているメーカーはたくさんあるので、Armマシン語を覚えたらいろいろと応用できます。 今回コントロールするマイコンは、STマイクロエレクトロニクスSTM32F031K6です!


実は古い、STM32との出会い。マイコンに興味を持ち始めた4年前、開発環境が1,000円とあまりに安かったでひとまず買ってWindowsでデモのエルチカを見るも、Macでの開発環境が見つからずお蔵入り。 その後、書籍「組み合わせ自在!超小型ARMマイコン基板」をきっかけにNXP社のDIP版LPC1114に出会ったできた、IchigoJam

IchigoJamでマイコン開発で使っているDIP版LPC810も残念ながら生産終了なので、メーカー問わずマイコン探しをしている中での再会です!

ひとまず一番小さいSTM32F0シリーズのお手軽ボード「STM32 Nucleo Board STM32F031K6」で実験。 Arm Mbedに対応したUSBでPCに接続するとドライブとして認識して、binファイルをコピーするだけで書き込んでくれます。

LPC1114と同様、Arm Cortex-M0なので、基本は一緒。 親切な取説を見ながら、ひとまずミニマムなエルチカ(64byte)が完成! (参考、Cortex-M0 Armマシン語表(抜粋)

DATA L #20001000 ' stack top DATA L #08000009 ' entry point @ENTRY R0=[@RCC_AHBENR]L R1=[R0]L R2=1 R2=R2<<18 R1|=R2 [R0]L=R1 R0=[@GPIOB]L ' GPIOB_MODER R1=`01000000 [R0]L=R1 R0+=#14 ' GPIOB_ODR R1=`1000 R2=0 R3=[@WAIT_CNT]L @LOOP [R0]L=R1 R4=R3 R4-=1 IF !0 GOTO -1 [R0]L=R2 R4=R3 R4-=1 IF !0 GOTO -1 GOTO @LOOP @RCC_AHBENR DATA L #40021014 @GPIOB DATA L #48000400 @WAIT_CNT DATA L 1000000

RCC_AHBENRでGPIOを有効にする(省エネの基本は使う部品だけ有効に!)
GPIOB_MODERでGPIOを設定(Nucleoの取説より、PB3にオンボードLEDがつながっていることを確認)
GPIOB_ODRでGPIOに書き込む(メモリマップドI/Oなので、メモリに書き込むだけ)
空ループでWAIT(1ループ4clock、標準は8MHzなので、1Hzエルチカするには1万回でOK!)
* Flashは#08000000に置かれます。チェックサムがないので手抜きするとヘッダは8byteでOK!

asm15 Assemblyでstart address:0、hex fileにアセンブルして、objcopyでbinファイルを作って、コピーしてみましょう!

cat > obj.hex :1000000000100020090000080A480168012292043B :10001000114301600848402101601430082100228A :10002000064B01601C46013CFDD102601C46013CB0 :10003000FDD1F6E7141002400004004840420F00D2 :00000001FF arm-none-eabi-objcopy -I ihex --output-target=binary obj.hex obj.bin

定格いっぱいフルパワー48MHzでエルチカする方法はこちら

DATA L #20001000 ' stack top DATA L #08000009 ' entry point @ENTRY 'clock 48MHz R0=[@FLASH]L ' FLASH_ACR R1=[R0]L R2=`10001 ' 1<<4:enbale prefetch, 1 wait state R1|=R2 [R0]L=R1 R0=[@RCC]L R3=R0+4 ' RCC_CFGR R1=[R3]L R2=`1111 R2=R2<<18 R2=~R2 R1&=R2 R2=4 ' PLLMUL6 R2=R2<<18 R1|=R2 [R3]L=R1 R1=[R0]L ' RCC_CR R2=1 R2=R2<<24 ' PLLON R1|=R2 [R0]L=R1 R2=R2<<1 ' PLLRDY R1=[R0]L R1&R2 IF !0 GOTO -2 R1=[R3]L ' RCC_CFGR R2=2 ' PLL R1|=R2 [R3]L=R1 R2=12 R1=[R3]L R1&=R2 R1-8 ' 2<<2 == PLL IF !0 GOTO -3 ' init GPIO R0+=#14 'RCC_AHBENR R1=[R0]L R2=1 R2=R2<<18 R1|=R2 [R0]L=R1 R0=[@GPIOB]L ' GPIOB_MODER R1=`01000000 [R0]L=R1 R0+=#14 ' GPIOB_ODR R1=`1000 R2=0 R3=[@WAIT_CNT]L @LOOP [R0]L=R1 R4=R3 R4-=1 IF !0 GOTO -1 [R0]L=R2 R4=R3 R4-=1 IF !0 GOTO -1 GOTO @LOOP @FLASH DATA L #40022000 @RCC DATA L #40021000 @GPIOB DATA L #48000400 @WAIT_CNT DATA L 6000000

24MHzを超える場合はFlashアクセスにウェイトが必要です。ただプリフェッチバッファー4byteが3つあり、それを有効にしておくことで、速度はそこそこ保たれます。 PLLを有効にして、内蔵クロック8MHzを6倍にする設定をして、クロックを切り替えることで48MHz動作になります!エルチカも6倍速くなってしまうので、WAIT_CNTを6倍にして1Hzエルチカのできあがり!

次は、Nucleoの書き込み機能に頼らず、IchigoJamからマイコンへの書き込みに挑戦です!

links
- リファレンスマニュアル STM32F0x1/STM32F0x2/STM32F0x8 advanced ARM®-based 32-bit MCUs
- IchigoJamとLPC810でつくるLED点滅クリスマスアクセサリー
- はじめてのマシン語 - IchigoJamではじめるARMマシン語その1

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