2017-12-30
Mbed対応のSTM32の開発環境Nucleoでマシン語でエルチカに成功したので、次はいろいろ製品化を見越して、CPUそのままを使って作ってみます。


今回使用したのは、秋月で売っている一番安いSTM32、STM32F042K6T6です。
Arm Cortex-M0 48MHz, Flash32KB, SRAM6KB, LQFP32
LQFP32に対応するDIP化基板へはんだづけ!
0.8mmピッチなので、0.65mmピッチ28ピンのLPC1114FDH28のはんだづけより簡単です。


USBシリアルを使って書き込みます。LEDとUSBシリアルとの接続の仕方はつぎの通り。
VDDA、VDDIO2にも電源供給が必要です。BOOT0をHIGHにすることで、書き込みモードになります。
RTSが使えない場合は、リセットする際、手でジャンパー線をGNDにつなぐか、タクトスイッチをつけましょう。

3.3VVDD 1STM32F032 VSSGND
OSC_IN 231 BOOT03.3V
OSC_OUT 330 PB7
RTSNRST 429 PB6
3.3VVDDA 528 PB5
PA0 627 PB4
PA1 726 PB3
PA2 825 PA15
PA3 924 PA14
PA4 1023 PA13
PA5 1122 PA12
PA6 1221 PA11
PA7 1320 PA10TXD
PB0 1419 PA9RXD
LEDPB1 1518 PA8
GNDVSS 1617 VDDIO23.3V
USBシリアルの書き込みに、"STM32 FLASH Writer Program Using Python" stm32writerを使わせてもらいました。 stm32用プロジェクト一式をGitHub"my-first-stm32" からダウンロードし、マシン語のエルチカを書き込んでみましょう。(Mac用です。USBシリアルの設定は、makefile内を書き換えてください)

t0-asm$ make ../tools/stm32writer/stm32writer.py --port=/dev/tty.SLAB_USBtoUART --go "obj.mot" stm32writer (version: 20171231py) ...

うまくいけば書き込み終了後に自動的にエルチカが始まります。
書き込み終わっているので、USBシリアルを外して、BOOT0をGNDに接続し、3Vくらいにつなげばエルチカマシンのできあがりです!

アセンブリ言語でマシン語プログラムも楽しいですが、C言語で開発できるようにすると楽です。
例えば、48MHzへの切り替えの一部 (asm15 アセンブリ言語 from STM32エルチカ)

R0=[@RCC]L R3=R0+4 ' RCC_CFGR R1=[R3]L R2=`1111 R2=R2<<18 R2=~R2 R1&=R2 R2=4 ' PLLMUL6 R2=R2<<18 R1|=R2 [R3]L=R1

これがC言語だと1行で書けます!

RCC->CFGR = (RCC->CFGR & ~(0b1111 << 18)) | (4 << 18);

t1-led-blinkがC言語でのエルチカ、t2-clockがクロックを48MHzに変更と、stm32の取説に合わせて必要最小限のプログラムになっているので、C言語の雰囲気をつかむのにのぞいてみてください。

t2-usartではstm32とのシリアル通信が一応できていますが、どうも内蔵クロックの精度が悪く計算上の値とは5%ほどずれてしまう点と、切り替えるべきAF(Alternate Function)の番号がstmのシリーズによって違う点が注意です。

STM32F0シリーズの取説は、日本語版もあって親切丁寧です!
参考資料 RM0091 リファレンスマニュアル STM32F0x1/STM32F0x2/STM32F0x8 advanced ARM-based 32bit MCUs

コンピューターをフル活用できる、マシン語とC言語の世界もぜひどうぞ!

BASICでプログラムの楽しさを知り
マシン語でコンピューターを知り
C言語でツールの便利さを知る
かつての王道、今でも通じる!?

links
- taisukef/my-first-stm32: first step of STM32F0
- IchigoJamではじめるArmマシン語

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