百人一首でおなじみ、平安時代初期から続く実際の綴りに基づく、歴史的仮名遣いから主役交代。
「当用漢字・新かなづかいが告示される:日本のあゆみ」
仮名遣い変遷のまとめは、1893年、当時の文部大臣、井上毅による歴史的仮名遣いへの諮問から始まっている。
ややこしい仮名遣いのせいで、諸外国と比べ、学習に遅れを取っているのではないか?
「文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 仮名遣い資料集(諸案集成)」
歴史的仮名遣いの難しさを体験できるクイズアプリを q4js で作ってみた。
「歴史的仮名遣いクイズ」(仮名遣いCSVオープンデータ(CC0) - 現代仮名遣い:文部科学省)
出題は10問、一発正解率を競おー!古文の先生にやってみてもらおー(棒引き仮名遣い)
50%超えるのもなかなか難しい。
「業」は歴史的仮名遣いでは「ごふ」
現代仮名遣いでは「ごう」と綴り、「ごー」と読みます。
読みやすく改定するはずの現代仮名遣いで、なぜ、よみと綴りが違うまま残ったのか!?
実は、1904年〜1909年、棒引き仮名遣いと呼ばれる、読みをそのまま仮名遣いとする方式が小学校で採用されていたが、強い反対によって廃止。(1900年 小学校令施行規則(抄)(明治三十三年八月二十一日文部省令第十四号)、詳細な記述はなし)
(仮名遣い対照表 - 仮名遣いまとめより)
ただし、この時の混乱は、名残りがローマ字と点字に残ってしまっている。
「1911年 点字説明 : 日本訓盲、文部省」
長音記号「ー」を病気に「びょーき」として書くとある(右下)
「ょ」を「び」の右下に小さくつける表記方法もおもしろい!
行動に基づくべし(ヅは、ダ行+濁点)
点字は、その後1946年、現代かなづかいが告示後もこの部分が改定されないまま今に至る。
ローマ字も「ローマ字のつづり方(訓令式)」として告示されたのが、現代かなづかい告示の9年前の1937年で、その後改定なし。
1986年時、現代かなづかい告示後、40年経過するもすっかり定着していたため、現代仮名遣いはほぼ変更なし、そこから更に30年以上経った今も違和感はない。 学びやすさで言えば、「読み」との区別を学習する必要がない「棒引き仮名遣い」に軍配が上がりそうだが、日本語の歴史的な良さを遺す「現代仮名遣い」のバランスが良かったのだろう。
であれば、かつての混乱期の名残りを残している「ローマ字」「点字」の方を改定した方がいいように思う。(本来は、1946年時にやっておくべきだった)
以上踏まえて、小学校で学ぶローマ字としては日本式を推したい(ヘボン式は英語で触れる)
「小学校で教えるローマ字は日本式で決まり! IchigoJamプリント「ローマじでうつ、カタカナ - こくごコース」と授業計画例」
(仮名遣い・点字・ローマ字にまつわる年表、一部)
1878年 石川倉治氏、仮名文字会に出席して表音文字の研究を始める
1890年 東京盲唖(もうあ)学校の石川倉治氏が考案した点字配列が採用(日本点字の父)
1900年 《小學校令施行規則》漢語は表音式、和語は歴史的仮名遣という手法が取られる
1901年 官報に「日本訓盲点字」掲載(原案ブレイユ)
1911年 点字説明 : 日本訓盲、文部省
1937年 内閣 日本式とヘボン式が融合する形で「ローマ字のつづり方」を告示(訓令式)
1946年「新かなづかい(現代かなづかい)」が内閣告示
1986年「現代仮名遣い」内閣告示
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- 訓令式に準拠した「日本式ローマ字のづづり方」と差分でまとめた「ヘボン式ローマ字」