2019-01-14
鯖江のものづくり友達、きものサロンまるよさんからスズムシがうるさすぎると相談あり。 一定間隔でスズムシの鳴き声が聞こえる、スズムシボックスを秋の店内にあると風流でいいのだけれど、ちょっと鳴く間隔が短すぎて、鬱陶しい、と。

9V電池を電源に、鳴き声電子回路が入っていることがわかったので、できるだけ非破壊による改造を試みる。 電源ケーブルを延長する形にして、トランジスタによる電子スイッチと、マイコンによる時間制御、マイコン用の3.3V生成が必要。


ブレッドボードで定期的に電源がONになる動作を確かめて、何秒間隔がいいか実験する
IchigoJam BASICなら、確認簡単!

10 OUT 1 20 WAIT 22*60 30 OUT 0 40 WAIT 180*60 50 GOTO 10

ONにしてから鳴くまでに間があるので、22秒間ONにすることで、ちょうど1ループ鳴く。そのままONにしておくと10秒たらずで何度も鳴くのは確かに鳴きすぎ。 ひとまず、3分間待って、再度鳴くようにしてみると、風流さが出た。


このままでは、箱に納まらないので、回路図を書いて、ユニバーサル基板にはんだづけする。 トランジスタを2段、3.3Vレギュレーター1つとIC3つ。どのようにつなぐかがパズルのようで楽しい。 Upverterなどで基板を起こしてもいいが、時間とお金が少々かかる。


IchigoJamよりコンパクトな、IchigoDakeでも、まだ納まらなかったのと、ちょっとオーバースペックなのも気になるので、LPC810へ移植する。 22秒間 ON にして、180秒は低電力モード(deep power down)で OFF にするプログラムを、IchigoJamからLPC810へ書き込む。

10 POKE#700,0,4,0,16,33,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,223,251,255,239,22,72,23,73,1,96,23,72,1,104,3,34,210,67,17,64,1,96,21,72,21,73,1,96,21,72,12,33,1,96,21,77,4,38,46,96,25,72 20 POKE#746,23,74,1,58,253,209,1,56,250,209,17,72,3,33,1,96,20,48,12,33,1,96,15,72,1,104,4,34,17,67,1,96,14,72,1,104,1,34,17,67,1,96,12,48,13,73,14,74,81,67,1,96,48,191,128,128,4,64,217,2,0,0,16,0 30 POKE#786,4,64,192,193,0,64,191,255,255,255,0,32,0,160,0,35,0,160,0,0,2,64,16,237,0,224,0,128,0,64,0,9,61,0,16,39,0,0,22,0,0,0,180,0,0,0 50 A=#700:L=180 100 UART3,2:OUT2,0:OUT1,0:WAIT9:OUT1,1:CLS:?"?":GSB@R 110 ?"Synchronized":GSB@R:?12000:?:GSB@R:GSB@R:?"A 0":GSB@R:GSB@R 120 ?"U 23130":GSB@R:?"W 268436096 ";L:GSB@R:UART1,2:LC0,-1:FORI=0TOL-1:?CHR$(PEEK(A+I));:NEXT:UART3,2:LC0,6:? 130 ?"P 0 0":GSB@R:?"E 0 0":GSB@R:?"P 0 0":GSB@R 140 ?"C 0 268436096 256":GSB@R:OUT2,1:OUT1,0:OUT1,1:END 150 @R:K=INKEY():IF K=13 K=INKEY():WAIT9:RTN ELSE CONT

180byteのArmマシン語をLPC810へ、書き込む(接続方法は、IchigoJamプリント参照)。30行の末尾、22と180の部分は、ONとOFFの秒数、好きな値に変えられる。(Armマシン語のソースプログラムは本記事末尾)


LPC810をIchigoDakeとピン配置をあわせるボードをはんだづけしてつくる。(LPC810の2番ピンWAKEUPをプルアップしないと、低電力モードが動作しないので注意!)


納まった!


元の箱に戻って、3分おきに鳴るように改造されたスズムシボックスのできあがり!

(LPC810を定期実行させる、Armマシン語 in asm15

DATA L #10000400 ' stack top DATA L #21 ' entry point DATA L 0,0,0,0,0 DATA L #EFFFFBDF ' VALID_CODE = 0x100000000-0x10000400-0x21 @ENTRY R0=[@SYSAHBCLKCTRL]L R1=[@USE_DEVICE]L [R0]L=R1 R0=[@FLASHCFG]L R1=[R0]L R2=3 ' flash no wait: set 0b00 R2=~R2 R1&=R2 [R0]L=R1 R0=[@PINENABLE0]L R1=[@PINENABLE0_DATA]L [R0]L=R1 R0=[@GPIO_DIR0]L R1=`1100 ' PIO0_2 and PIO0_3 [R0]L=R1 ' LED R5=[@GPIO_NOT0]L R6=`0100 [R5]L=R6 ' WAIT (WAIT_CNT * ON_SEC) R0=[@ON_SEC]L R2=[@WAIT_CNT]L R2-=1 IF !0 GOTO -1 R0-=1 IF !0 GOTO -4 ' init deep power down R0=[@PMU_PCON]L R1=3 ' PM = deep powerdown [R0]L=R1 R0+=#14 'PMU_DPDCTRL R1=`1100 ' enable 10kHz [R0]L=R1 ' deep power down R0=[@SCB_SCR]L R1=[R0]L R2=4 ' deep sleep R1|=R2 [R0]L=R1 ' wake up timer R0=[@WKT_CTRL]L R1=[R0]L R2=1 ' use 10kHz R1|=R2 [R0]L=R1 R0+=#C ' WKT_COUNT (SLEEP_CNT * OFF_SEC) R1=[@SLEEP_CNT]L R2=[@OFF_SEC]L R1*=R2 [R0]L=R1 WFI @SYSAHBCLKCTRL DATA L #40048080 @USE_DEVICE 'WKT, SCT:off, SWT, GPIO, I2C:off, FLASH, FLASHREG, RAM:off, ROM:off, SYS DATA L `1011011001 @FLASHCFG DATA L #40040010 @PINENABLE0 DATA L #4000C1C0 @PINENABLE0_DATA DATA L #FFFFFFBF @GPIO_DIR0 DATA L #A0002000 @GPIO_NOT0 DATA L #A0002300 @PMU_PCON DATA L #40020000 @SCB_SCR DATA L #E000ED10 @WKT_CTRL DATA L #40008000 @WAIT_CNT DATA L 4000000 ' 1sec (12MHz) @SLEEP_CNT DATA L 10000 ' 1sec (10kHz) @ON_SEC DATA L 22 ' (sec) @OFF_SEC DATA L 180 ' (sec)

2017年のクリスマス時に作ったものをベースに小変更。
@ON_SEC、@OFF_SEC 部分が、ONにする時間と、OFFにする時間。IchigoJam BASICからPOKE文でも簡単に変更可能。

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