行政サービスに、求められる性格の大きく異る2つの役割、住民管理(eガバメント)と、公共インフラの整備がありますが、後者に着目したものがオープンデータです。放っておいても世界のオープンデータ化は進みます。ただ、日本がこのデータのインフラで遅れをとるということは、それを元にするITに関連する産業が後手に回ることになります。
道路に例えると、道路というインフラ整備が仮に10年遅かったとしたら、自動車産業は日本から生まれず、海外産の車ばかりだったかもしれません。流れの早い、現代であれば少しの遅れが大きく影響します。現時点での日本のオープンデータは、右ハンドル、左ハンドルなど規格が揃っていない道路が点在する状態で、それぞれの道路に合わせた車づくりが必要です(5★Open Dataの三ツ星)。ただ、規格の統一を待っていては車は生まれません。まずは車を創り、乗り、利便性を体感することで、整備すべき理想の道路の姿が見えてきます。
アメリカ合衆国初代CIO、ヴィヴェク氏はアメリカの国家IT予算の年間800億ドルに驚いたというエピソードを話してくれましたが、日本政府も1兆円のIT予算、人口6.9万人の鯖江市でも全年間予算で600億円、1人あたり100万円弱と、考えてみれば当たり前ですが、行政が持つ力は、普通の感覚では捉えづらい程、大きいものです。
大きすぎる力が暴走することを抑えるために、人類はアプローチは権力を集中させることを選んできました。ネットの登場によって膨大なデータを全人類の目で監視することも現実的になった今、オープンにするという新しいアプローチへと大きく転換させようとしています。豊かな社会を創造する、本質は何も変わりません。減少傾向にあるとはいえ、ひとりあたり100万円という年会費、あなたならどう使いますか?
基本戦略はシンプルです。水道や、ゴミ収集など、既存のインフラを知恵とITで効率化してコストを抑え、新しいインフラであるオープンデータを整備することです。オープンデータという道路を走る便利な車に相当するステキなアプリをみんなで考え、オープンデータ整備と歩調を合わせて創っていきましょう。
Code for Japan を始め、日本各地でアプリを創ろうという草の根運動が盛り上がってきています。エンジニアである必要はまったくなく、こんな風にスマホが動いてくれたら便利というイメージを誰かに話したり、紙に鉛筆で描いたり、ブログにしたりすることが大きな貢献につながります。モノにもよりますが、アプリ化するのは一日一創できるくらい難しいものではありません。一歩、踏み出してみませんか?
参考リンク
- Code for Japan - Facebookグループ
- Code for Sabae - Facebookグループ
- オープンガバメントサミット2013 - 11.16、鯖江市にて開催!
オープンガバメントサミット2013 鯖江市で2013.11.16(土)15:00開催!
<第1部>------15:20~16:25
“21世紀を代表する行政の姿とは”
田辺 賢行 氏 会津若松市副市長
三木 浩平 氏 千葉市CIO補佐監
森本 登志男氏 佐賀県CIO
牧野 百男 氏 鯖江市長
勝屋 久 氏 勝屋久事務所代表(モデレーター)
<第2部>------16:30~17:35
“ITのまちに期待すること”
奥田 浩美 氏 株式会社ウィズグループ 代表
早田 吉伸 氏 内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室主幹
藤井 宏一郎氏 Google執行役員&公共政策部長
本荘 修二 氏 本荘事務所代表(モデレーター)
<第3 部>------17:40~18:45
“オープンな未来に向けて今からできること”
一色 正男氏 慶應大学教授 W3C日本サイトマネージャー
小林 巌生氏 リンクト・オープン・データ・イニシアティブ 副理事長
関 治之 氏 合同会社Georepublic Japan 代表社員 / Code for Japan 代表
西田 亮介 氏 立命館大学特別招聘准教授
福野 泰介氏 ㈱jig.jp 代表取締役社長(モデレーター)
交流・意見交換会 --------19:00~20:20
※参加費 社会人:1,000円、学生:無料
主催:鯖江市:鯖江IT推進フォーラム実行委員会
協力:株式会社jig.jp・株式会社MDS
NPO法人エル・コミュニティ