FM音源で鳴らす、学校のチャイム風!
YMF825Boardの使い方
※3.3Vで使うために基板にちょっと工作が必要です(YMF825Board Rev.Aを見て、8/15追記)
小さな抵抗 R0 を外し、S1にあるパッド3つをはんだでつなぐ(はんだブリッジ)ことで、SPIの信号が3.3Vで使えるようになります。
R0 は、はんだ吸い取り線を重ねて上から熱しながらピンセットで取りました。
難関だったS1のはんだブリッジ、3つのパッドが全部つながるようにはんだが乗ればOK!
今回はなかなかうまくつかないので諦めて、回路図からICの8ピンVDDと9ピンIO/VDDに3.3VがつながればOKとわかったのでLEDなどの線の切れ端を使ってS1の大きいパッドからIC8ピン9ピンの間とをはんだづけ。
(パッド間がもっと近いと楽になりそう)
SPIで制御するYMF825Boardとの接続はジャンパーワイヤー7本。
電源で3本、5V/3.3V/GND
RST_N (リセット) - OUT1
SCK (クロック) - OUT2
MOSI (データ送信) - OUT3
SSN (チップセレクト) - OUT4
ステレオジャックに、イヤホンかスピーカーに接続すればOK!
こちらドレミファソと鳴るテストプログラム
10 OUT1,0:WAIT1:OUT4,1:OUT1,1 15 'INIT 20 LET[0],#1D01,#020E,-1,#0001,#0100,#1AA3,-1,#1A00,-30,#0204,-1,#0204,-1,#0200,#197C,#1B3F,#1400,#0301,#08F6,-21,#0800,#09FB,#0A00,#01740,#1800,0 22 FORJ=0TO99:N=[J]:IF!N J=99:GOTO26 24 IF N<0 WAIT -N ELSE GSB@SPIW 26 NEXT 30 'SETCH 31 LET[0],#0F30,#1071,#1100,#1208,#1300 32 FORJ=0TO4:N=[J]:GSB@SPIW:NEXT 40 'SETTONE 41 N=#08F6:GSB@SPIW:WAIT1:N=#0800:GSB@SPIW 42 LET[0],7,#81,1,#43,0,#E7,#FF,#9D,0,#10,#40,#20,#33,#E2,#73,0,#50,#40,#10,#41,#D3,#5B,0,#10,#41,#20,#63,#D4,2,1,#10,#40,#80,3,#81,#80 43 M=36:GSB@SPIAW 60 'KEYON 65 LET[50],#1465,#1C11,#1C42,#1C5D,#2417 70 FORM=0TO4:N=[50+M] 75 ?N 80 LET[0],#0B00,#0C54,#0D00+N>>8,#0E00+N&#FF,#0F40 90 FORJ=0TO4:N=[J]:GSB@SPIW:NEXT 100 WAIT30 110 N=#0F00:GSB@SPIW 125 NEXT 130 GOTO70 1000 @SPIW:OUT4,0:FORI=0TO15:OUT2,0:OUT3,N>>(15-I)&1:OUT2,1:NEXT:OUT4,1:RTN 1010 @SPIAW:OUT4,0:FORK=0TOM-1:N=[K]:FORI=0TO7:OUT2,0:OUT3,N>>(7-I)&1:OUT2,1:NEXT:NEXT:OUT4,1:RTN
(ArduinoのサンプルをIchigoJam BASICに移植)
YMF825にはプリセット音源はないため、音色パラメータを最初に書き込んであげる必要があります(42行)。
FM音源攻略のため、2オペレータのパラメータを編集できるFM音源エディタをつくってみました。
YMF825 FM音源エディタ on IchigoJam
まずはYMF825の初期化コード
1 'FM INIT 10 OUT1,0:WAIT1:OUT4,1:OUT1,1 15 'INIT 20 LET[0],#1D01,#020E,-1,#0001,#0100,#1AA3,-1,#1A00,-30,#0204,-1,#0204,-1,#0200,#197C,#1B3F,#1400,#0301,#08F6,-21,#0800,#09FB,#0A00,#01740,#1800,0 22 FORJ=0TO99:N=[J]:IF!N J=99:GOTO26 24 IF N<0 WAIT -N ELSE GSB@SPIW 26 NEXT 30 'SETCH 31 LET[0],#0F30,#1071,#1100,#1208,#1300 32 FORJ=0TO4:N=[J]:GSB@SPIW:NEXT 33 FORI=0TO37:[I+40]=0:NEXT 35 LRUN2 1000 @SPIW:OUT4,0:FORI=0TO15:OUT2,0:OUT3,N>>(15-I)&1:OUT2,1:NEXT:OUT4,1:RTN SAVE0
2番ファイルに保存するメインのエディタプログラム(初期化プログラムの35行で呼び出し)
最初のINPUTで番号を指定して、次のINPUTで値を設定(各パラメータに書いてある最大値を超えないように注意)
1 'FM EDITOR 5 CLS 10 ?" 1 BO 3:";[40] 20 ?" 2 LFO 3:";[41] 30 ?" 3 ALG 7:";[42] 40 LET[80],"SR 15","XOF 1","KSR 1","RR 15","DR 15","AR 15","SL 15","TL 63","KSL 3","EAM 1","DAM 3","EVB 1","DVB 3","MUL15","DT 7","WS 31","FB 7" 50 FORJ=0TO1:FORI=0TO16:LCJ*15,3+I:?DEC$(4+I+J*17,2);" ";STR$([80+I]);":";[43+I+J*17]:NEXT:NEXT 60 INPUT"ID :",I:IF I=0 LRUN3 70 INPUT"VAL:",V:[39+I]=V 80 GOTO 5 SAVE2
何も入力せずエンター(または0入力)で、テストで鳴らす音プログラム3番に
1 'FM TEST TONE 10 LET[0],7,#81,[40],[41]<<6+[42] 20 FORJ=0TO1:A=43+J*17 30 LET[4+J*7],[A]<<4+[A+1]<<3+[A+2],[A+3]<<4+[A+4],[A+5]<<4+[A+6],[A+7]<<2+[A+8],[A+9]<<4+[A+10]<<5+[A+11]+[A+12]<<1,[A+13]<<4+[A+14],[A+15]<<3+[A+16] 32 NEXT 41 N=#08F6:GSB@SPIW:WAIT1:N=#0800:GSB@SPIW 43 M=36:GSB@SPIAW 60 'TEST TONE 66 W=30:B=4 70 A=357:GSB@KON:WAITW:GSB@KOFF 130 LRUN2 300 @KON:N=AF+A>>7<<11+B<<8:LET[0],#0B00,#0C54,#0D00+N>>8,#0E00+N&#FF,#0F40 310 FORJ=0TO4:N=[J]:GSB@SPIW:NEXT:RTN 400 @KOFF:N=#0F00:GSB@SPIW:RTN 1000 @SPIW:OUT4,0:FORI=0TO15:OUT2,0:OUT3,N>>(15-I)&1:OUT2,1:NEXT:OUT4,1:RTN 1010 @SPIAW:OUT4,0:FORK=0TOM-1:N=[K]:FORI=0TO7:OUT2,0:OUT3,N>>(7-I)&1:OUT2,1:NEXT:NEXT:OUT4,1:RTN SAVE3
パラメータを設定して、エンターでテストトーン!
YMF825のFM音源の音色づくりの基本
4つの発振器(オペレータ)のつながりを選ぶ、アルゴリズム。第一オペレータを鳴らすアルゴリズム1を選択(ALG:1)
(ymf825board manual / Tone Parameterより)
かつて(MSX時代)は正弦波だけだった発振器、YMF825では29種類から選べます!
音が大きて確認しやすい、ファミコンで有名、三角波を選んでみます(Wave Shape, WS:16)
(ymf825board manual / Tone Parameterより)
次にエンベロープをADSR(アタックAR、ディケイDR、サステインSR/SL、リリースRR)をそれぞれ0-15の値で指定します。
AR: アタックレート、立ち上がりの速さ 15で最速、0で立ち上がらない(鳴らない)
DR: ディケイレート、立ち上がり後の減衰の速さ 15で最速、0で減衰しない
SL: サステインレベル、ディケイ後の音量 15で消える、0で減衰しない
SR: サステインレート、ディケイ後の減衰の速さ 15で最速、0で減衰しない
RR: リリースレート、キーオフ後の減衰の速さ 15で最速、0で減衰しない(鳴り続ける)
まずARを15、RRを15にして鳴らしてみましょう。
ポーっとファミコンっぽい音が鳴ります。
アタックとリリース
ARを5にすると、ふわっと音が鳴り始めます。
RRを5にすると、ふわっと音が消えるようになります。
いろいろ変えてみましょう。
ディケイ
AR、RRを15に戻して、SLを7、DRを10にしてみましょう。
最初音が大きくて、その後小さい音が続きます。
後半の小さな音の音量をSLで調整(0で変化なし、15で消える)し、その音量になるまでの速さをDR(15で即変わる)で指定します。
サステイン
SRを7とすると、後半の小さな音が徐々に減衰するようになります。
キーオフした後の減衰はリリースRRで調整します。
アルゴリズム1は、2番目のオペレータを使って変調(モジュレート)できます。
右側(第二オペレータ)のARとRRを15にして、みると音が変化します。
モジュレーターの効き具合は、TLで調整します(0で最大、63で無効化)。
このように発振器をいろいろつなぎ合わせて音を創る、それがFM音源!
2つのオペレータで慣れたら、4オペレータをフルに使った音作りに挑戦です!
冒頭の動画は、ファイル3の鳴らす部分をこのようにチャイムに書き換えました!
オクターブ(B)が4、音階(A)で指定する数値は、YMF825のマニュアル内のExcelファイルに一覧もあります。
60 'CHIME 66 W=30:B=4 70 A=674:GSB@KON:WAITW:GSB@KOFF 71 A=535:GSB@KON:WAITW:GSB@KOFF 72 A=601:GSB@KON:WAITW:GSB@KOFF 73 A=401:GSB@KON:WAITW*2:GSB@KOFF 80 A=401:GSB@KON:WAITW:GSB@KOFF 81 A=601:GSB@KON:WAITW:GSB@KOFF 82 A=674:GSB@KON:WAITW:GSB@KOFF 83 A=535:GSB@KON:WAITW*2:GSB@KOFF
BASICによるソフトウェアSPIだと遅くてリアルタイムな演奏には向かないので、次は一部マシン語化した楽器プログラムに挑戦してみたいと思います。(参考、マシン語入門)
→ マシン語編「YMF825で楽器づくり「FM音源キーボード」マシン語で高速SPI、IchigoJamでまなぶ Armマシン語入門その9」
links
- YMF825Board紹介 - Yamaha (公式サイト、マニュアル、サンプルプログラムあり)
- YMF825 SD-1 universal Sound Designer 1 - YAMAHA
- YMF825Board Rev.A (YMF825Board 製造元のウダデンシさんサイト)
- YMF825 FM音源モジュールを使ってみた - きょうのかんぱぱ (Arduinoで音色変更例)
- YMF825(SD-1)ざっくりまとめ(スペック編) - Lost Technology
- アナログシンセとはまったく違う、“誰でもわかるFM音源”講座 : 藤本健の“DTMステーション” (かつて240万円したFM音源シンセサイザー)
- ボードで復活!! 生方剛考のFM音源講座
- 今夜わかるFM音源 - aikeの日記
- FM音源の音作りをアナログな感覚で覚えよう① : SynthSonic
- YAMAHAのFM音源チップ、YMF825がMAKE市場向けに登場。Maker Faireで先行発売が決定だ! : 藤本健の“DTMステーション”