2019-05-23
高専の情報系の学科にはOSを学ぶ授業があります。自分で使って作って遊んでみるのが近道です。

IchigoJamへの要望に応えるため、一部はIchigoJam OSの外での実装を検討中。 その手段として、マシン語やmrubyなどからの呼び出しに便利なAPI提供を行う予定にしています。公開時はAPIテーブルとして固定のアドレスに置くことになりますが、先行してAPI直接呼び出しする実験方法を紹介します。
* IchigoJam 1.3.2b11専用なのでご注意ください(他のファームウェアだと停止します)


(IchigoJam as an OS: rnd API example)

ゲームでは欠かせないランダム(rnd)はこんな風に呼び出せます。

[0]=#4700:?USR(#800,#11B9) 8423

アドレス #11B8 に、rnd関数が入っていて、+1 した #11B9 でThumbマシン語として呼び出します。返り値はR0に格納されるので、マシン語はシンプルにGOTOするだけ。

GOTO R0

inkeyは#A15、clsは#196D、wait1は#219です。

パラメーターを渡すAPI、画面表示のputcは、こんな風に使います。(UARTのみのputcは#A51)

LET[0],#4900,#4708,#18BD,0:U=USR(#800,ASC("A"))

マシン語は、このように呼び出し先アドレスをR1にセットしています

R1=#18 R1=R1<<8 R1+=#BD GOTO R1

パラメータを一つ受け取るAPIとして、数を出力するputnum(#18E1)もおもしろいです。

LET[0],#4900,#4708,#18E1,0:U=USR(#800,12345) 12345

RNDを使った応用例として画面をランダムに埋め続けるプログラムを、ステップバイステップで解説します。

'R3=#900 R3=9 R3=R3<<8 R3=R3+R1 [R3]=R0 RET

asm15でアセンブルするか、マシン語表を使ってハンドアセンブル

POKE#700,9,35,27,2,91,24,24,112,112,71 ?USR(#700,65)

Aが画面左上(#900)に表示されます。USRの第二パラメータに表示したいキャラクターコード、レジスタR0として使えます。

rndを使って、ランダムなキャラを出します。

PUSH {LR,R4} 'R4=#900 R4=9 R4=R4<<8 R4=R4+R1 'R2=#11B9 R2=#11 R2=R2<<8 R2+=#B9 GOSUB R2 'RND [R4]=R0 POP {PC,R4}

関数内で更に関数を呼び出す場合、戻り先LRをPUSHで保存しておき、POPで戻しましょう。

POKE#700,16,181,9,36,36,2,100,24,17,34,18,2,185,50,144,71,32,112,16,189 ?USR(#700,0)

ランダムな場所に出します。

PUSH {LR,R4-R6} 'R6=#11B9 (RND) R6=#11 R6=R6<<8 R6+=#B9 'R4=#900 R4=9 R4=R4<<8 R4=R4+R1 GOSUB R6 'RND R1=#FF R0&=R1 R5=R4+R0 GOSUB R6 'RND [R5]=R0 POP {PC,R4-R6}

R3の割り算を使って、%(32*24)を実現して画面全体ランダム表示。
捨て身の無限ループなので、電源を切るまで停止することはできません。戻ってこないのでPUSHもなし。

'R6=#11B9 (RND) R6=#11 R6=R6<<8 R6+=#B9 'R7=32*24 R0=32 R7=24 R7*=R0 'R12=R3 (UDIV) R12=R3 'R4=#900 R4=9 R4=R4<<8 R4=R4+R1 @LOOP GOSUB R6 'RND R1=R7 GOSUB R12 'UDIV R0=R1 R5=R4+R0 GOSUB R6 'RND [R5]=R0 GOTO @LOOP


POKE#700,17,38,54,2,185,54,32,32,24,39,71,67,156,70,9,36,36,2,100,24,176,71,57,70,224,71,8,70,37,24,176,71,40,112,247,231 ?USR(#700,0)

正式実装をお楽しみに!

see also
連載、IchigoJamではじめる、Armマシン語入門

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