個人情報の取り扱いに敏感になるのは、その利用価値が高く、ビジネスにつながりやすいという側面があります。例えば、ロボット好きの男性が住んでいることがわかれば、ピンポイントにDMを送ることができ、企業にとってはビジネスチャンスです。ただ、あくまで個人情報は本人の意志によって開示されるべきものなので、行政がもっている個人情報が住民の意志に反して公開されるようなことはあってはまずいです。
近年、新たなビジネスとして期待されている、いままで得られなかった多量のデータを解析するビッグデータというものがあります。このビッグデータの中でも、個人情報と絡めたビッグデータは特に、現在のビジネスとマッチしやすいものになりますが、行政が住民とのきちんとした合意なしに、個人情報と感じさせてしまうようなデータが公開されてしまうと、行政によるオープンデータそのものの進展が止まってしまうことになりかねません。
行政がもつ個人情報へネットを通じてアクセスできると利便性が上がることは間違いないです。ただそのためには、市民と行政との信頼関係をしっかりと構築させることが大切です。そのためにも、まずは、避難所などの公共の施設一覧や、観光地情報など、水道や道路のような住民に広く開放されるべき、公共のインフラ的なデータの公開を効率よく行い、それをつなぐさまざまなアプリやサービスによって、オープンデータの利便性を住民が感じるような環境づくりが大切です。