1. 新しい市民との窓口となり、シビックテックなどの共創を誘発し、価値を生む(利益増)
2. 行政の課内外とのデータ連携を円滑化し、業務を効率化する(費用減)
1を実現するにはオープンデータを増やすだけでなく、それを市民に伝え、市民が使う必要がある。鯖江市では市役所の職員であり、Code for Sabaeのメンバーでもある牧田泰一さんの力が大きかった(現、総務省情報化アドバイザー、PCN日新代表)。牧田さんが、次々とオープンデータを公開し、市民や企業が呼応し、どんどんアプリを作って内外の新しい動きにつながった。
次に取り組みたいのは2。オープンデータを追加業務ではなく、行政の業務のコアとすることで、同じようなデータを複数の課で管理する無駄をなくし、業務を効率化する。生きたオープンデータが増えることで、1の促進にもつながる。そのためには、行政内部の業務をデータとその流れとして、モデル化し、デジタルを活用したツールによって、業務を変える必要がある。
こちら、鯖江市の現在人口の例。
「鯖江市の現在の人口 – めがねのまちさばえ 鯖江市」では、Excelデータとして毎月の人口や世帯数が地区別、国籍別にまとめられている。紙への印刷を意識した作りなので、そのままCSVデータにしても使いづらい。また、多分手作業であることがセルの場所揺れから推測できる。
この元データはきっとコンピューターで管理されており、何らかの方法で転記しているはずなので、このエクセルを作る手間、間違っていないか確認する手間、ウェブサイトへとアップロードする手間をかけていることになる。住民の数を扱うデータなので、セキュリティ的に別ネットワークとしてあって、もしかしたら、目と手による転記をしているかもしれない。
シビックテックでできることとして、ひとまず、アップロードされたExcelファイルを解析し、必要な数を抜き出し整理したCSV化し、グラフ化してみた。鯖江市人口は2019年1月がピークであるが、その後150人幅でほぼ横ばいであることが分かる。最新は2022年3月であり、4/5/6月分のデータが待ち遠しい。
「鯖江市の人口推移」
1. 該当ページのHTMLを解析し、エクセルファイルをすべてダウンロード
2. エクセル内の全シートから日付の人口を抽出してデータ化
3. かぶりのない日付順のCSVデータとして保存
4. このCSVデータを使って、グラフ化するアプリを作成(CSVはExcelでも開ける)
自動的にグラフが更新されるように、GitHub Actionsを設定しておく。「毎月10日前後に更新」と曖昧なので、ひとまず毎日更新をかけてみる。変更があればGitHubの更新履歴でチェックできる。いつどのファイルが更新されるかが明確になっていれば、必要なファイルのみの処理にできて、更に効率化できる。
ただ、この方法には問題があって、Excelの表記方法が少し変わってしまうだけで正常な更新ができなくなる。以前「データ解析を民主化せよ 新型コロナで重み増す「オープンデータ」:日経ビジネス電子版(反響 - NEWSPICKS)」でも、紹介いただいた「厚生労働省の方へ、CSVオープンデータ化で効率化しましょう!」にて、度重なる仕様変更への開発者側の対応苦慮の訴えと、「厚労省のCSVオープンデータスタート」という経緯がある。
市民に伝わり、行政も効率化。創ろう、サステナブル・データシティ鯖江!
links
- SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業に選ばれました! – めがねのまちさばえ 鯖江市
- データシティ鯖江ポータルサイト | Data City Sabae
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