福野泰介の一日一創 - create every day

昨日、量子コンピュータの実現に向けた大きな前進があったようです。量子コンピュータにおける、基礎技術の量子テレポーテーションが100%再現可能になったとのこと。

量子コンピュータでは、量子ビットという通常のコンピュータでいう0または1を表す最小のデータ単位ビットとは異なる単位が基本となります。量子ビットは0または1である確率を任意の割合で重ねあわせて保持するという不思議なもので、さまざまな重ね合わされた状態がまとまって計算されるので、超並列コンピュータを使わないといけないような計算がシンプルに解ける・・・とのこと。囲碁のように、多くのケースが考えられる複雑なシミュレーションなどへの応用など、おもしろくなりそうです。

まだ実際に使える量子コンピュータは実現されていないようですが、今回の発表をきっかけに現実のものとなる可能性が高まりました。ただ、そうなると同時に気にしなければならない問題があります。セキュリティ対策です。

世界で一番多く使われているセキュリティ対策としての暗号化は、SSLでしょう。Facebook、ショッピング、オンラインバンキングなどで、"https//"という文字を見ることがあると思いますが、これが利用者の端末から、相手のサーバーまでの通信内容をRSAという暗号方式を使っています。この暗号方式は、非常に大きな数が何と何の掛け算でできているかと分解する計算、素因数分解が現在のコンピュータでは解くことが非常に難しいということが肝になっています。

例えば、7031は素因数分解するといくつといくつになるか分かりますか?小さな素数で割っていったり、当たりをつけて試すしかありません。答えは、79と89ですが、逆にこの数から7031を算出するのは一瞬です。実際には何百桁もの非常に大きな数を使うため、コンピュータでも計算時間が膨大になりすぎて、求められないという点が安全性の根拠となっています。


(参考:2012年、一日一創 素数模様 primedots)

実は、量子コンピュータが実用化された場合にこの素因数分解が高速で解けてしまう方法があるというのです。まさに今は100年かかる計算が1秒で・・・。

そろそろ量子コンピュータ時代のセキュリティへの移行を考える必要がありそうです。

朝日新聞デジタル:100年かかる計算を1秒で 夢のコンピューターに道 - テック&サイエンス
東大、完全な光量子ビットの量子テレポーテーションに成功 | マイナビニュース」 - 詳しい解説あり!

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