2013-12-23
MSXの楽しさを教えてくれた雑誌「MSX-FAN」、見つけてから欠かさず購入してました。一番好きだったのは読者投稿のゲームが掲載された「ファンダム」というコーナー。編集さんによる審査を通過した作品が毎月十数作品掲載されていました。おもしろそうなゲームを見つけては、雑誌に書いてあるプログラムを自分のMSXにがんばって打ち込みます。

一見無意味な作業のようにみえるこの「打ち込み」は、現代でも「写経」といって、プログラミングの非常に有効な勉強法だったりします。「写経」がそうであるように、先人の書いた道をなぞることによって、その作法が自然と刷り込まれます。

1991年10月からは、720KBのフロッピーディスクが付録としてつくようになり、楽にはなりましたが、どれを遊ぼうかと打ち込むプログラミングの長さも踏まえて吟味する楽しみは減ってしまったかもしれません。ただ、その代わり、マシン語を操るためのアセンブラ入門や、C言語入門など、新たな楽しみへと進んでいくきっかけにもなりました。

ひさびさに開けてみたMSX-FANの付録ディスク全33回分。1995年8月に休刊となるまでのすべてを保存してあります。22年も経っていますが、無事読み込めました。

こちらシフトアップしてライバルより速く走る1キーゲーム。非常にシンプルです。1画面部門といって、MSXのちょうど1画面、40文字x24行にプログラムを納めるという俳句的な部門が、打ち込みも楽で好きでした。惜しくも最終ステージで負け。

コンティニューは1面からですが、面倒なので、プログラムを修正していきなり最終ステージになるように改造し、見事クリア画面を見ることができました。ゲームを自分好みに改造するのが、ファンダムならではの楽しみ方です。親切なプログラムの解説や、打ち込み間違い防止用のチェックサムなんかもついている読者を育てようとする意気込みに、頭が下がります。

現代の子供でも楽しんでもらえそうなネタが豊富なので、付録ディスクをひと通りバックアップすることにしました。読み取りエラーが出た1枚を除き、ほとんどがコピーできました。全部圧縮しても22.3MBしかありませんが、MSXに対する思いが詰まった密度の濃さはどんなデータにも負けないかも。


「MSX BASIC VIEWER」

せっかくなので、コピーしながら、MSX BASICで作られたプログラムファイルをパソコンで見られるようなツールを作っておこうと思いたち、なんとなく動くようにまでなった「MSX BASIC VIEWER」です。手持ちのプログラムを上記ツールを開いて、ブラウザにドロップすると、BASICの中間コードを可読テキストに変換します。

ちなみにデフォルトで書いてあるBASICのプログラムを実行するとこんな画面が出ます。MSX30周年の年が終わろうとしていますが、みなさまの何かを始めるきっかけになれば幸いです。

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