2014-04-26
全国自治体初の取り組みが続く、鯖江市。電脳メガネARアプリコンテストの公開審査会と表彰式がありました。電脳メガネとは、メガネ型のコンピューター。MOVERIOや、Google Glassなど、具体的に手にとって開発できるデバイスが浸透してきたためか、発想の多様性とプレゼンテーションによる説得力が増していて、楽しく審査できました。ご参加のみなさま、ありがとうございました!受賞者の方、おめでとうございました!


"電脳メガネARアプリコンテスト|『さばえ.jp』百さんのブログです”より

発表された11作品(企画部門7作品、アプリ部門4作品)を発表順に紹介します。


電脳メガネの生みの親「電脳コイル」の舞台は大黒市。今日は大黒市の市長としてプレゼンを聞くと挨拶する鯖江市長。


本山 光さん(東京都)ふるさと
企画部門1作品目、故郷までの距離時間と方角を表示するアプリ。故郷にいる親のメガネには子の距離、方角がわかります。Vincluのメガネ版といった感じ。市長の若者が鯖江に帰ってきてほしいという思いをかなえてくれるかも。ふるさとのニュースをその方角と距離とともにお知らせするのもいいかもしれません。佳作、受賞。


幸田 晃奈さん(越前市)リボンラリー
メガネを通すとおすすめスポットまで伸びるリボンが見えるという、ファンシーなアイデア。昨年の河和田アートキャンプの発表会では、路面に貼られたカラフルな足あとシールがステキでした。メガネ版なら、手軽に、大規模かつその人に合わせたパーソナルなカワイイガイドが実現できそう。佳作、受賞。


佐々木 里奈さん(愛知県)つくろう!電脳ペットが住みやすい世の中
環境問題にフォーカスし、ゴミを拾うとペットが出現し、イベントに参加するとペットを育てるアイテム「ごはん」がもらえるというゲーム風なサービス。電脳コイルで登場した、電脳ペット、身近な環境問題に楽しくこどもたちが取り組むきっかけに良さそうです。鯖江市のイベントから、こどもが喜びそうなものをピックアップしてアイテム提供と連動させるとまちの盛り上げにも一役買いそう。佳作、受賞。電脳コイルの世界への期待を込めて、Code for Sabae賞として、Durovis Diveもプレゼント!


古澤 貴倫さん(東京都)鯖江の職人AR ~工芸デザイナー育成~
伝承したい職人による伝統芸能。このメガネをかけると誰でも職人級の腕前になれちゃうかも?というサービス。職人がかけた電脳メガネによって撮影された動画とガイドを元に、自分オリジナルの伝統工芸を体験できると、多くの人が気軽に体験できるようになり、購入者の拡大、継承者の育成へとつながるかもしれません。早速、Google Glassで映像を残すことから始めてほしい!企画部門、最優秀賞、受賞。


池田 彩子さん(東京都)Cooking!
女子大生の中で流行中という料理。ひとりでも楽しくクッキングできるメガネ。横を見ると、先生が現れて、手順を教えてくれるという自然に使えそうな感じがいい。キッチンの天井にプロジェクター埋め込んでの投影とかも便利そう。市民が料理を楽しむことが、健康増進=医療費削減へとつながり、実は自治体にとってもうれしいこと。地物野菜を使ったレシピオープンデータにも期待です!佳作、受賞。


(株)FIND 富野永和 & (株)電通 池田一彦さん(東京都)ウェアラブルSNSアプリCava!(サヴァ!)
次世代のSNSは、地域から!今の気持ちが伝わるメガネで広がる新しいコミュニケーション。スマホを通じて遠くの人とも簡単につながるようにはなったのは革新的でしたが、目の前にいる人とのとれたはずの大切なコミュニケーションを逃していませんか?Twitterが生み出した弱コミュニケーション、メガネで可視化することで新たな社会につながるかも。Zeppelinとの共同UXプロジェクト"circle"も活躍できるかも。佳作、受賞。


島影 圭佑さん(東京都)OTON GLASS (オトングラス)
会話はできるけど読み書きができなくなってしまう失語症。お父様がその病にかかったことがきっかけで開発にとりくむのが、音声で読み上げるメガネ、OTONGLASS。鯖江のメガネ会社、マコト眼鏡(マコトガンキョウ)とコラボし、実際プロトタイプ開発を大学での研究として進めているとのこと。利用者をぐっと父というリアルな一人に限定することで創りだされる徹底した使いやすさは、きっとオリンピックに向けた多言語読み上げメガネへとつながるでしょう。佳作と鯖江市長賞、受賞。


上田 大豊さん(京都府)タイムスリップカメラ Yesterscape
続いてアプリ部門は、iPhoneアプリとして公開されていて、写真を場所と角度を記録することで、その空間に過去への窓が生み出されます。ふと立ち寄った思い出の場所、かつて撮った写真がその場に浮かんで見えます。今からでも、写真に角度情報を必ず記録しておくようにしておきたいですね。鯖江の写真オープンデータにも情報を付加して、このサービスに加えられるといいかも。アプリ部門、優秀賞、受賞。


廣池&笹川さん(鯖江市)ナビワンコ
何度かニュースでも紹介されたjig.jp製のオープンデータを体感できるアプリ、ナビワンコ。起動すると最寄りの避難所、消火栓、観光地、トイレまでをワンコがガイドしてくれます。今回は、貸していただいたMOVERIOに対応した電脳ナビワンコとなって登場。ARの本命、メガネによるナビを気軽に体験できる環境が整ってきました。佳作、受賞。


秋田 潤さん(神奈川県)実体験! 電脳コイルの世界
今回唯一、実際動くGoogle Glass用のアプリとして応募いただいた、電脳コイルの世界観と電脳メガネを使ったスタンプラリーアプリ。ヒントを元に、チェックポイントを探し出しゴールを目指す。電脳コイルで登場するパトロールキャラ、サッチーに見つからないようなルートを通る必要性を加えるなど、ゲーム性をアップさせていくことで楽しい鯖江のまち歩きが実現できそう。サンドームにライブにくるお客さんにも楽しんでもらえそう。アプリ部門、最優秀賞、受賞。


飯嶋 徹さん(東京都)Pop Up Street@akiba
お店の個性が光るPOP。このPOPをARによって遠くからでも見えるようにするメガネ。宣伝をガンガン見せられるのは困りますが、店員さんによる心のこもったPOPは、見ていて楽しくなれそうです。評価の高いPOPアーティスト、好みの合うお店など、リアルな看板とインターネット広告のいいとこどりができるのが、AR広告のいいところ。いち早く、鯖江の町で実験してみたいサービスです。佳作、受賞。


表彰式では、EPSONさんから最優秀賞、優秀賞獲得の方に新型 MOVERIO BT-200 が贈呈(今回は目録のみですが)されました。未来、創りましょう!


講評する福井高専蘆田教授。福井高専生など、地元からの参加者、増やしたいですね!


表彰式後は、なごやかに懇親会。サバエドッグはここでも人気でした。早速、次の一歩に向けての話もいくつか進んでいるみたいです。今年、2014年11月23日、電脳メガネサミット鯖江にて開催とのことですよ!

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