8/3、NHK総合「サキどり」にて全国放送されるオープンデータ。日本の自治体では、2010年の鯖江市長の決断によって始まった。ITと一番縁遠いと思われていた自治体が、Web標準の技術規格であるXMLというコンピューター言語を使って、データを商用利用も含めて広く公開したオープンデータは突破口となり、大阪、東京と大都市を含む、全国39都市にまで広がった。Code for Americaを基点とする市民による行政サービスのITを使った改善活動はシビックテックと呼ばれ、日本でもCode for Japanの元、全国に多数 Code for X を誕生させ、ゴミ出しを楽しく、被災地避難民をつなぐ、花火大会を盛り上げる、女子高生が図書館を便利に使うなど、新しい活動へとつながっている。

オープンデータの源流にはオープンソース文化、マイコン文化がある。オープンソースとは、ソフトウェアの設計図である、プログラムそのものを意味するソースコードを広く公開することである。自動車に例えると、外装の寸法から、使っている素材、仕組みまですべての設計図が無料で公開されていることを意味する。設計図=実際に動くものといえるコンピューターの世界では、こどもでも誰でもが最新型の車を自由に乗り回せるだけでなく、好きに改造して人に上げても構わないという自由すぎる環境に相当する。

1,500円で自分で組み立てられるコンピューター"IchigoJam"が、かつてのマイコン時代を彷彿させるらしく、入手してみた本「マイ・コンピュータ入門」。発刊は私が生まれる1年前、1977年。アマチュア無線や、アマチュア衛星を使って世界とつないでいることに驚き、エレクトーンを改造して自動演奏していることに親近感が湧いた。この時代が、今のコンピューターの何万分の1もの能力しかないコンピューターに、企業が何億単位で投資が始まり、同時にアマチュア文化として趣味で持つコンピューターが広まった。パソコンという言葉が無い中、私のコンピューター(マイコン)が世界中で流行し、そのコンピューターで動くソフトウェアがカセットテープの実費のみで配布され始めた、まさにオープンソース文化の始まりが書かれていた。

自分でつくったモノが、誰かの役に立つと、誰もがうれしい。そのシンプルな気持ちがベースとなるのがオープンデータである。今では一大イベントとしてすっかり定着したコミックマーケットこと、コミケも根っこは同じ。今まで著作権という自然に発生する権利が邪魔をしていた部分を、オープンデータにするという宣言が窓口を開く。自治体に限らず、持っているデータを公開し、つなぐ、オープンデータは未知の新しい何か生み出し、さまざまな新しい社会を創造する活動のきっかけになろうとしている。

Webという、人類、誰一人差別することなく使える技術は、今年で誕生25周年。オープンデータという新しい流れを伴い、いよいよその真価が明らかになる。


(Amazon.co.jp: マイ・コンピュータ入門―コンピュータはあなたにもつくれる: 安田 寿明: 本)


(自分でハンダ付けして組み立てる当時のコンピューター、NEC TK-80)


(昭和52年5月の各種キットの性能と価格、IchigoJamと比べ、メモリは同等、値段は50分の1、速度は50倍)

リンク
- 決断力の鯖江、変革の鍵はITとJK - データマネジメント2014 #opendata #sabae / 福野泰介の一日一創
- 5374.jp - シビックテックでゴミ出しを楽しく
- CODE for JAPAN blog — Code for Japanは、技術者を派遣する「フェローシッププログラム」をスタート:第一弾として福島県浪江町への派遣プログラムを開始いたします
- 「びわ湖大花火大会」に関するオープンデータについて
- 自分でハンダ付けして組み立てる1,500円パソコン IchigoJam

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