オープンデータは、単なる公開されたデータと明確に異なり、自由に加工・再配布・販売など、商用・非商用問わず、二次利用ができることがポイント。こどもがお遊びで使って、ネットに公開するのももちろんOK!新しいデータ間のつながりで起きる化学反応が期待できます。オープンデータをシンプルに示すこのマーク、「クリエイティブ・コモンズ・表示」は、日本のオープンライセンスのデファクトスタンダードとなっています。
行政サービスの限界が近いことが、行政によるオープンデータが注目されている理由です。大きなきっかけになった3.11の震災。避難所データが整理されていなかったことで、多くの人が苦労しました。(政策空間: 今こそ「オープンガバメント」の推進を!―東日本大震災・被災者支援で必要な視点)
そこで、行政の役割をぎゅっと絞って、核となっているデータをオープンデータにするまでとします。その代わりに参入する民間サービスが、よりきめ細かいサービスを提供します。市民生活の質は向上し、行政コストは下がり、新しい産業が誕生します。まさに、トリプルWin。(関連、鯖江市提案型市民主役事業)
いざ、オープンデータを使ってビジネスをしようという時、できるだけ使いやすい形式であるとうれしいですよね。その使いやすさの段階を示した、5つ星オープンデータ。震災時の避難所のようにすぐにでも欲しいデータは、PDFでもがんばって使えますが、できればコピーペーストできるExcel、欲をいえばそのままアプリに取り込めるCSVやXMLがうれしい。
日本自治体初のオープンデータとなった鯖江市も3つ星のXMLからスタートし、現在の多くのオープンデータ都市は3つ星のCSVによってオープンデータ化されていますが、これには問題がありました。アプリが横展開(スケール)しないのです。各市毎に形式が異なるので、アプリはそれぞれに用意する必要があり、コストがかかります。
全世界でひとつの形式を使う5つ星オープンデータを使えば、1つのアプリが地域を超えて使えるようになります。鯖江市で生まれたアプリが、流山市、淡路市で自動的に使え、同じように流山市や淡路市で生まれたアプリを鯖江市民も活用できるわけです。
5つ星オープンデータの要、RDFとSPARQLは、W3Cが定めるWeb標準技術であるため、市場は日本だけでなく世界に広がります。現在、各国で5つ星オープンデータに向けた取り組みが進んでおり、イギリス、ブラジル、スペインが自由に使えるSPARQLを設置しています。
5つ星オープンデータで基本要素となるのが、RDF(リソース・ディスクリプション・フレームワーク)。いままでのWebの情報単位HTMLは、文章が基本なので、アプリで使うには単位が大きすぎるデータであり、各HTML間をつなぐリンクに"意味"が付いていないため整理できませんでした。RDFは、世の中のデータ(=リソース)を、より細かく意味付けして、そのデータ同士もまたグローバルで使える意味付けしたリンクで結ぶという考え方です。RDFの集合から欲しいデータを取り出すときに使う、SQLのようなクエリー言語が、SPARQL(スパークル)です。
このアイデアの発祥元は、Webの発明者であり、W3C創設者のティム・バーナーズ=リー氏(イギリス)。TEDカンファレンスで、次世代のWebとして5つ星オープンデータの可能性を語っています。
先日、鯖江市jig.jp本店にお越しいただいた、静岡県島田市、静岡県三島市、福島県郡山市、愛知県豊田市、そして、東海大学の方々と意見交換を行いました。静岡県は県として初のオープンデータ、民間企業や学校を含む「しずおかオープンデータ推進協議会」のスタートなどオープンデータ先進県。福井県でも、5つ星オープンデータを活用したビジネスの意見交換、オープンデータを活用するノウハウ共有、行政への提案を行う「福井県オープンデータビジネス化協議会」をスタートしました。
小さな地方の強みは、ベンチャー企業と同様「スピード」です。数多くのチャレンジを元に得られる知見やアプリは、地域や国境をも超えて広まります。Webが発明され25年前、次世代のWeb社会が見えて来ました。
参加してみたくなった方へ、オススメFacebookグループ紹介
- 福井県オープンデータビジネス化協議会 - 福井県に拠点がある方へ [new!]
- ひらけガバ! - オープンガバメントに関心ある特に行政の方へ
- Code for Japan - エンジニアリング力で世界を変えたい方へ
- SPARQL.jp - SPARQLについて関心ある方へ
今週末、鯖江市のオープンガバメントを象徴するイベントがあります
「11/15(土) 提案型市民主役事業 未来創造フォーラム」