ゼロから始まる創造はありません。必ず何かを下敷きに、また、何かの影響を受けて創られます。Aという創造物があったとして、その色を変えたり、表情を変えたり、動きを付けてみたり、ベースとなる著作物に手を加えることで生まれるA'という新しい価値。このAからA'を創造する権利を独占できるのが著作権ですが、世界中のみんなと共有しようと生まれたのがクリエティブ・コモンズという世界共通の宣言です。
クリエティブ・コモンズには、元の著作物の加工を認めるか否か(ND)、商用利用を認めるか否か(NC)、派生著作物に対してもクリエティブ・コモンズライセンスを引き継ぐか(SA)否かを、著作者は選んで宣言できます。オープンデータで使われている、CC BYと略される、クリエイティブ・コモンズ・表示は、加工を認め、商用利用も認め、ライセンスの引き継ぎは必要なし、ただし、著作者表示だけはしてね、という宣言です。
同じクリエイティブ・コモンズの中でも、商用利用を禁止(CC BY-NCなど)はオープンデータとはなりません。また、再配布に制限をかけることになる(SA)や、加工の線引が難しいので(ND)も無い方が望ましいです。日本政府のオープンデータ「DATA GO JP」でも、CC BYが採用されています(利用規約 - DATA GO JP)。
CC BYは、世界中のクリエイターを中心に使われていることが、オープンデータのオープンライセンスとして使う最大のメリット。出典を知った他の開発者が別のアプリを創るきっかけになり、創造の連鎖が国境を超えて生まれます。
今日現在66を数える日本のオープンデータ都市、95.4%がクリエイティブ・コモンズ・表示を設定していました。この円グラフアプリもCC BYですし、今日のこの文章を含む私のブログ全体もCC BYです。元データである日本のオープンデータ都市一覧は、著作者表示も不要なオープンライセンスである、パブリックドメインを採用しています。
オープンライセンスの持つは強大です。オープンデータだけでなく、世界中にすばらしい写真、楽曲、動画、画像などの創造がクリエティブ・コモンズで公開されていますので、どうぞいろいろ探して、アプリに組み込んでみてください!
参考リンク
「ホーム - クリエイティブ・コモンズ・ジャパン」