ただ、調べてみるとなかなかローマ字も闇が深い。
「づ」のローマ字は何でしょう?
実は、ヘボン式も訓令式も「ZU」が正解。
どちらの方式も音を表すもので、表記するためではない方式だからとのこと。
もちろん、ローマ字入力としての正解は「DU」
小学校ローマ字、3つの問題
1. 教えるローマ字が訓令式かヘボン式かはっきりしない
2. キーボードで打つローマ字と違う
3. そもそも時間が足りてない
そもそもなぜ小学校3年生の国語でローマ字で習うのか?
ローマ字表記が添えられた案内板やパンフレットを見たり,コンピュータを使ったりする機会が増えるなど, ローマ字は児童の生活に身近なものになっていることなどを踏まえ,第3学年で指導するものとする。日本語の文章がローマ字表記されているものは日常でほぼ見ることがない。 地名のローマ字風表記を見かけるのみなので、重点はローマ字入力にあると思っていいだろう。
(新学習指導要領の国語)
地名は実はローマ字ではなく、英語化した「TOKYO」「OSAKA」や、発音の近さを優先したヘボン式「FUKUI」などバラバラ。 日本語で知っていても、ローマ字風で書く正式表記を知らずに書くことは不可能という状況なので、書けるローマ字として教えるにはどちらの方式も不適格となる。
そこで、オススメが訓令式の原型でもある「日本式ローマ字(1885年 物理学者の田中舘愛橘さん考案)」
AIUEOの母音と、KSTNHMYRWの子音を組み合わせるシンプル!
なので「づ」も「DU」、「を」も「WO」と表記し、ローマ字入力方式と互換性がある。
* パスポートではヘボン式が使われるなど、書き方はいろいろあることに少し触れておく
* 自分の名前をどう表記するかは、お父さんお母さんに聞いてみよう!と促すこと、大事
2020年からプログラミング学習が必修化し、キーボードでのタイピングの強化が明記されている中、教える時間不足問題は、
国語のローマ字としてはシンプルな日本式を書き文字として教えることで解決しよう。
こちら、カタカナのローマ字入力対応している「IchigoJam」用オンライン無料テキスト、IchigoJamプリントに、国語コースとして追加した「ローマじうつ、カタカナ」
カタカナで日本語が入力できるようになると、IchigoJamでの表現の幅が広がります!
こちら「もういくつねると〜お正月」を歌詞表示しながら音楽を奏でるプログラム
10 PLAY"O4 L4C2DC8D8EGE2 DDCDE2.R L8CC>AAGGG4 <CCDDE2 E4DDCCCC DDEEG2 L4C2DC8D8EGEE DDEDC2.R 20 W=240 30 TEMPO 28800/W 40 ?"モウ イクツネルト":WAIT W 50 ?"オショウガツ?":WAIT W 60 ?"オショウガツニハ タコアゲテ":WAIT W 70 ?"コマヲ マワシテ アソビマショウ!":WAIT W 80 ?"ハヤク コイコイ":WAIT W 90 ?"オショウガツ!":WAIT W
IchigoJamを使った、オススメのローマ字、英語、プログラミング学習の流れ
1. 3年 外国語活動、アルファベット大文字を学ぶ
2. 3年 総合 or 外国語活動、キーボードでアルファベットをタイピングする(IchigoJamでOK)
3. 3年 国語、日本式ローマ字を学ぶ
4. 3年 国語 or 総合、キーボードでローマ字をタイピングする(まずはIchigoJamでカタカナのみでシンプルに!)
5. 3年 国語 or 総合、キーボードでローマ字をタイピングする漢字編(文章入力にチャレンジ!)
6. 4年 総合、プログラミング基本(IchigoJamはじめのいっぽでLED制御と身の回りのコンピューター)
7. 4年 総合 or 外国語活動、プログラミング応用(簡単な英単語とかわくだりゲームづくり)
8. 4年 外国語活動、アルファベット小文字を学ぶ
9. 4年 総合 or 外国語活動、キーボードで小文字を学ぶ(IchigoJamタイピングゲーム)
10. 4年 外国語活動、まちなかにある外国語やローマ字で書かれた単語を集めて解析しよう!
アルファベット大文字、ローマ字で書くこと、キーボードタイピングの基本を3年生でマスターし、
アルファベット小文字、プログラミング、キーボードを4年生でマスターするという設計
(アルファベット大文字、小文字は5-6年生分を先取り)
6,7は、先日鯖江市の小学校で実証した45分2コマを想定。
「動画&スライド公開、プログラミングB分類、総合と英語2コマ使った「はじめてのプログラミング」 - 鯖江市進徳小学校でモデル授業」
4年生からはクラブ活動の時間があるので、もっとやりたいこどもはプログラミングクラブ活動へ。
10は社会見学的な活動。 ヘボン式を含む、各地にある英語やローマ字風のいろいろな文字を拾って解析する活動は外国への興味関心を引くのに良いはず。 フランス料理屋さんの看板など、英語以外の表記も見つかってきっと楽しい。小文字を覚える4年生向けとした。
総合的な学習の時間における,コンピュータで文字を入力するなどの学習との関連が図られるよう,指導する時期や内容を意図的,計画的に位置付けることが重要である。国語のローマ字の時間が足りない問題を、英語のアルファベット、総合のタイピングとプログラミングを関連付けて、計画してみました。 現場の先生方からもご意見伺えたら幸いです。
(新学習指導要領の国語)
(補足)
新学習指導要領の国語からのリンクはないが、
昭和29年の文書「ローマ字のつづり方」が訓令式とされるもの。
国語を書き表わす場合に用いるローマ字のつづり方が定められている(文化庁からの引用あり)。
ただ、文書内に「おおむね」や「特殊音の書き表わし方は自由とする」と、書いてあって、定義として機能していない。
(昭和12年の内閣訓令第三号がヘボン式を例外として認める形で改められた)
この訓令式は、1989年にはISO3602として国際規格化もしているが、Wikipediaにもあるように翻字、つまり、文字として書き起こすことに向いていない。 そのため、冒頭の「づ」のような問題が起きる。日本式ローマ字では起きない。
(補足2、追記)
パスポートに記載する名前はヘボン式と法律で定められている。外務省によるヘボン式の定義「ヘボン式ローマ字綴方表」
前項の氏名はヘボン式ローマ字によって旅券面に表記する。ただし、申請者がその氏名についてヘボン式によらないローマ字表記を希望し、外務大臣又は領事官が、出生証明書等により当該表記が適当であり、かつ、渡航の便宜のため特に必要であると認めるときは、この限りではない。
(旅券法 第五条 3)
追記:訓令式に準拠した「日本式ローマ字のづづり方」と差分でまとめた「ヘボン式ローマ字」
links
- ISO 3602:1989(en), Documentation — Romanization of Japanese (kana script) - 国際規格化されたローマ字の定義、有償
- 日本式ローマ字 - Wikipedia
- ローマ字のつづり方:文部科学省
- ヘボン式ローマ字綴方表(外務省)