iPhone5s+Durovis Diveの外観は1995年発売の任天堂のゲーム機「バーチャルボーイ」と同様の没入型。カメラとディスプレイを含め、処理系はiPhone5sそのものを使う。
(ユースケースコンテスト基調講演にて、左、講談社「攻殻機動隊」より -
写真、Teru Yoshikoshi(@teru4454)さん)
目の前のディスプレイを見るために調整可能な光学系(老眼鏡)と周りの光を遮断するシェードで「デジタルな目」を実現するのがDurovis Diveとなっている。この形状、実は初めて体験したのは、MashupAwards9 表彰式で「Mashup Vision」チームと話していた時。
Durovis Diveは、一切のコンピューターを含まないので非常に安価で、ドイツからの送料含めても8,000円程度と手軽にバーチャルリアリティーができる。目の前にディスプレイを固定し、老眼鏡通じてみるスタイルは、Oculus Riftと同様。Oculusと比較して視野角は若干劣りつつもiPhone5sの高精細な液晶とカメラが使える上に、何より完全なモバイルが実現できる点がすばらしい。
アプリケーション開発も左右にそれぞれの目用の画面を描画するだけ。今回使ったアプリでは、バーチャルボーイの赤い世界を再現した。視界をまるごとコンピューター処理可能な、まさに理想的なARアプリを開発できる。これをつけたまま開発していると、再起動時に視界が一瞬途切れる感じが楽しい。
(©磯光雄/徳間書店・電脳コイル製作委員会、鯖江市 電脳メガネ ARアプリコンテストより)
コンピューターと切り離されているため、iPhone6など、更に強力なスマホの登場がそのままこのARデバイスの向上になる点も特徴。また、スマホ側もカメラを二つ付けた3Dの実現(Optimus 3D再び!?)、広角レンズによる視野角の拡大、ウィンクセンサーや視線センサーをBLEで接続したオートフォーカスやウィンクシャッターの実現など、これに特化した進化にも期待したい。
理想的だがサイバーすぎる外観も、Google Glassのよう���デザインと掛け心地を重視し機能を絞り広く普及を狙うというアプローチによって、2007年の作品「電脳コイル」に登場する一見普通のメガネのような形に収束していくのは時間の問題。
2014年、オープンデータによって急速に広まるセマンティックWebが、IoTや、Google Glassなどの新しいネット接続デバイスを巻き込み、全く新しい世界への入り口となる年となるでしょう!
「福井県鯖江市>電脳メガネ ARアプリコンテスト 作品募集」 - 開催中!