Webとの出会いは、1996年の高専2年生の頃。組み立てたPentium 90MHz DOS/Vを使って、地元福井の電機屋さんが運営するパソコン通信「STARDUST」に接続した際に見た、近所にインターネットカフェ「E-Saloon」というものがオープンしたという広告。なんだかわからないので行ってみると、住宅街の真ん中にそれはあり、夕方だったこともあるのか、他にお客さんはいないお店の中にはMacがずらっと並んでいた。これがインターネットだよと見せてくれたのが、ブラウザ(たぶん、Netscape)と、その中で表示された米国Yahoo!。NASAとか検索して、でてくる情報に感激。これはすごい辞書ができたものだ、というのが、私のWebの第一印象。
プログラミングをやっていることを話していたら紹介してくれたのが誕生したばかりのJava。CD-ROM付きの本をもらって、ブラウザ上で動くアニメーションアプリ(Applet)を作りながら、楽しく作れる充実したJavaの基本ライブラリの構造に感動する。コンパイルは非常に遅かったが、MSXでC言語のコンパイルに1分待っていたことを思えば、そんな苦でもない。
当時のインターネット接続は遅く(14.4kbpsとかなので、数値上は今の10万倍も遅い)、使用時間に応じて料金が上がったので、効率よくページを見ることが重要だった。そこで、お店のマスターと盛り上がって作ったものが、HTMLを先読みして、リンクを抽出し、PCにダウンロードしながら検索するJavaのアプリケーション「WebAgent」。福井県主催のプロコン、ふくいソフトウェアコンペティションに応募し、受賞。5万円分の図書券をもらった。思えば、機能は限定的ながら、これが最初に発表したWebブラウザ、しかも検索!
(WebAgent、1996年10月31日応募資料より)
パソコン通信というローカルなネットから、世界中に広がるインターネットへの転換期をいち早く経験させてもらったことは非常にラッキーだった。STARDUST運用してくれた方々、ほとんど認知のなかった時代にインターネットカフェを開きいろいろ教えてくれたマスター、コンテストの機会をくれた福井県の方、本当に感謝です!
- 検索+(けんさくプラス) by jig.jp - スマホ時代のお得ブラウザ
- 福井ソフトウェアコンペティション - 過去受賞作品は2007年までしかなく名前発見できず